イラクの映画 それだけが理由で観に行って来ました。
テレビニュースとかで
イラクでの戦争やテロの情報を見たり聞いたりしてると
イラクとかの人の命ってなんか軽く思えてきたりしませんか。
そんなことないよ って判ってても
どこか そんな風に刷り込まれて行ってるような。
フセイン政権崩壊後3週間 イラク北部のクルド人自治区から
祖母と孫が 祖母にとっての息子、孫の父親に会いに行く話。
彼は 湾岸戦争の時に政権側に身柄を拘束され
イラク南部の刑務所に彼は居る・・・・はず。
その距離900キロ 年老いた母と12歳の孫は
家族への愛情と再会への希望だけをエネルギーに旅を続ける。
空に 道路に常に展開しているアメリカ軍
炎を上げる建物 響く銃声
そんな中での イラクの人々の悲哀が浮かび上がる。
雑踏 怒号 助け合い
言葉や表情のひとつひとつが心に沁みる
バクダッドからバスで旅立つ場面
タバコ売りの少年とのくだりは本当に秀逸!
イラクの悲劇は 湾岸戦争から始まったのではなく
独裁者の迫害により150万人に及ぶ行方不明者があり
政権崩壊後に見つかった集団墓地からは何十万人もの遺体が見つかった。
ただ その命は 決して軽いものではなく
それぞれの家族との愛情に結ばれ
強い思いの中、無念にも散って行った
重い命だと言うことをこの映画は教えてくれる。
イラクは今も混迷は深く
人々の悲しみもいまだ深く続いているようだ。
ただこのような映画が世界で公開されることが
イラクの再生に果たす役割も大きいと思う。
本当に頑張っていただきたいと心から願う。
映画のなかで バクダッドに到着するシーン
街の城門の横に 『ようこそ、バクダッドへ』の看板があった。
いつの日か 安全になったバクダッドの街を訪れたい。
あの タバコ売りの少年の言葉のままに。
公式サイト